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高森明勅
2015.2.12 23:00

イスラム国より残虐な政府軍

先に、イスラム国関連の死者の数を紹介した。

イスラム国の武力攻撃に伴う“治安悪化”
によるイラクでの死者は
1万人弱(昨年年初から9月迄)だった。

これに対し、昨年7月のシリア人権ネットワークの報告では、
シリア政府軍が殺害した民間人は少なくとも11万人弱
うち約1万5千人強が子供、1万4千人弱が女性、拷問による
死者が5千人弱)という。

ちなみにシリアの人口は2000万人強。

だから、こんな評価まで現れる。

「どうやらISIS(イスラム国)は、無政府状態に陥った
シリアとイラクから奪い取った地域で、
それなりに機能的な国家を
建設しつつあるらしい。
長らく流血の宗派間抗争に耐えてきた現地の人々は、
何よりも安定を欲している」

ISISは曲がりなりにも秩序らしきものを用意したが、
その他のテロ組織や復讐の念に燃える政府軍や民兵勢力はおよそ
用できない」(サイモン・スピークマン・コーダル)と。

死者数の比較の為に付言すれば、前にも言及したように、
アメリカの「大義なき」イラク侵攻では、
約100万人のイラク人が犠牲になっている。  

桁外れに巨大な数字だ。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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